本作品は、昨今のe-SportsやHMD中心のVRに対するアンチテーゼで、HMDによらないxR(VR/AR/MR)技術を用いて、テクノロジカルなものでありながら身体能力と物理的操作感を重視したフィジカルなe-Sportsである。

 

xR技術を用いた新たなスポーツを実現する多人数対戦システムであり、現実環境と身体を拡張するVRサバゲーだ。最近のVRはHMDが中心だが問題も多く、特に子供は健康上の理由から遊べない。賛否両論あるがe-Sportsは画面の中だけで、身体を鍛え、競うというスポーツ本来のフィジカルな要素が存在しない。これらに対する答えとして、身体性を重視し、子供で安全に楽しめ、競技性の高いものとして、武器を模したデバイスにスマートフォンを装着して遊ぶ、多人数で対戦可能なVAIR Fieldを制作した。

 

本物と同等の身体能力と物理的な操作を必要とする銃や弓を模したVAIRデバイス。センサで位置情報を取得し共有、プレイヤ相互の位置を認識し、動き回れるとそこから見たVRの映像をデバイスのスマートフォンに表示する。障害物や壁等も認識しVR内でも障害物が表示される。最新のテクノロジを活用しつつ、それをプレイヤには意識させない。使用するデバイス類、例えば弓は本物と同等であり、引くには相応の筋力が必要であり、狙うための方法も現実同様である。ただそこに物理的な矢弾はなく安全である。故に上達するには筋トレと弓の修練が必要となる。

 

頭を使って戦術を立て、足を使って走り回り、仲間と連携する必要がある。ただ現実のものをテクノロジで置き換えただけではない。プレイヤ以外のキャラクタはAIで制御され、現実のプレイヤと同様に行動する。ネットワークで結べば東京にいながら、ニューヨークのチームと対戦することも可能。

 

  1. 安本匡佑、寺岡丈博, “VAIR FIELD – モバイルVRを用いたスポーツ競技の創造”, CEDEC 2018
  2. Masasuke Yasumoto, Takehiro Teraoka, “VAIR Field – Multiple Mobile VR Shooting Sports.”, 3D Springer, Virtual, Augmented and Mixed Reality: Applications in Health, Cultural Heritage and Industry (Part II), LNCS 10910, pp235-246, 2018
  3. Masasuke Yasumoto, Takehiro Teraoka, “VAIR Field”, Laval Virtual Revolution 2018, Laval France, 2018
  4. Masasuke Yasumoto, “VAIR Field”, Taipei Game Show 2018, Taipei Taiwan, 2018
  5. (INVITAION)Masasuke Yasumoto, “VAIR”, TechFest 2018, IIT Bombay, Bombay India, 2018
  6. Masasuke Yasumoto,  Takehiro Teraoka, “VAIR — Mobile VR shooting without HMD”, IEEE, 2018 International Workshop on Advanced Image Technology (IWAIT), Chiang Mai, 2018, pp. 1-2. 2018

 

TechFest(IIT Bombay)での展示の様子

 

 

 

 

 

Laval Virtual 2018での展示の様子

 

 

CEDEC 2018での展示の様子